【書籍名】 悩みぬく意味
【発行所】 幻冬舎
【価格】 800円+税
【著者】 諸富祥彦さん
悩むとは疲れること、辛いこと、そう思って悩むことを避けていた人、無理やり自分をポジティブシンキングに向けていた人。
一度考え方を変えてみてはどうでしょう。と、この本が訴えかけていると感じました。
本書は実存的心理療法家のフランクルの思想を軸として著者の体験や考えをまとめた書籍のようです。
個人的にポイントと思われたことを記載します。
(1)悩みを「自分の悩み」としてではなく「人生からの問い」として受け止める。
とかく私たちは
「私って何がしたいんだろう」
「私のほんとうの気持ちは何だろう」と悩みがちですが、
「人生は、私に何を求めているか」という視点で考えることが大事ということです。
(2)気晴らしとは恐るべきもの、安易に気晴らしや暇つぶしに逃げず、ひとりの静かな時間をもって自分の内側を見つめ直すこと。
退屈ではないのだけれど、どこか虚しさを感じてしまう時がある方もいると思います。例えば金曜土曜と飲み会で楽しんで、退屈ではない、のだけれど、これでいいのかな、なんだか虚しいなと。
著者は気晴らしは気晴らしに過ぎないと気づくことで、気晴らしに使っていた時間を、自分の内側にある理由のない虚しさを見つめる時間に使うこと。
そのことが「生きる意味を求める問い」になると述べています。
(3)悩み苦しむこと自体が問題なのではなく、何のために苦悩するか何の意味があるのか分からないことが問題。
悩み苦しみに「意味」と「理由」を見いだすことができるのであれば耐えていけるとのことです。
(4)人が体験する時間は区分できる。「深層時間」を大事にする。
人が体験する時間は「よのなか時間」と「ひとり時間」に大別でき、更に「ひとり時間」は「表層時間」と「深層時間」に大別できる。
「よのなか時間」から「ひとり時間」へ、「表層時間」から「深層時間」へとシフトしていき自己を深く見つめていくことが大事とのことです。
こういった人生に深い示唆を与えてくれる内容が多数記されております。
「悩む」を見つめ直してみてはいかがでしょう。
また本書には、
・実際にどうやって自分の内面を見つめていけばよいか
・どうやって悩めばよいか
・逆に内面に深く入りすぎないためにはどうしたらよいか
そういった実践法が記載されています。
○深く悩むための実践法
フォーカシング
プロセスワーク(立脚点の変更×2)
○深く悩まないための実践法
スプリッティング
脱内省
脱同一化
これらは是非本書を購入して読んで実践してみてください。後半は哲学的になり難易度が高そうですが、やってみる価値がありそうです。
本書を読んで「悩み」について見直すとともに、「深く悩む」を実践してみてはいかがでしょう。