この記事に書いてあること:伝説のホップを利用し、もはや味わいも香りもビールを超越した、新しいお酒「SORACHI1984」の実飲レビュー。
1.はじめに
伝説のホップとは? SORACHIとは? さらに1984とは?
いずれも聞きなれないキーワードが並び、謎情報過多で困惑してしまうビールSAPPOROの「SORACHI1984」。
公式サイトをもとにキーワードを1つずつ読み解いていきます。
まず、「伝説のホップ」とは、本ビールに使われているホップ「ソラチエース」のこと。
この品種名にちなんで「SORACHI」と銘打っています。
そして、この「ソラチエース」とは、1984年に北海道空知郡上富良野町にあるサッポロの研究開発部で開発したフレーバーホップ品種。この年にちなんで「1984」が付されている。ということです。
ところがこのソラチエース、時代を先取りしすぎて、当時の日本人には受け入れられませんでした。
確かに、1984年のビール事情を見てみると、
- サントリーのモルツは、発売すらされていない(1986年発売)
- アサヒスーパードライも、発売されてすらいない(1987年発売)
- キリンビール一番搾りも、発売すらされていない(1990年発売)
つまり、多様なビールを受け入れられる状態でもなければ、ホップにこだわりがあるような人も極々極々少数だったのでしょう。
モルツも、スーパードライも、一番搾りもそれぞれ尖ったビールで、その時々で話題となりましたが、「ソラチエース」は、それらの5歩くらい先を行っているように思われます。
そんな不遇な扱いを受けた「ソラチエース」は、1994年にアメリカにわたり、「Oh、良いね!」ということで注目を集めました。
そして、近年の日本におけるプレミアムビールブームや、クラフトビールブーム等により、香りも味わいも多様なビールが受け入れられるようになり、「ソラチエース」が帰ってきたということです。
ビールにまつわるストーリーは、これくらいにして、以下で実際に飲んでいきましょう。
2.実飲レビュー
まずパッケージを確認。
シンプルで、スマートなパッケージです。
何の飲み物かはぱっと見で分かりません。ホップがビールの重要な原材料だと知っている人が「あ、ビールか」と分かる、通向けのパッケージですね。
裏面には、先ほどのストーリーの要約が記載されています。
注いでみます。
透き通っており、濁りは全くありません。濃い目の黄色です。
泡は、最初は大粒でしたが、少し時間が経つと繊細な泡が生まれてきました。
香りは、ワインの新樽ような香り、そして、白ワインような香りがします。公式サイトでは「ヒノキやレモングラスのような香り」と表現がされています。
不思議です。Theビールの香りというのは感じられません。クリーミーな香りです。ものすごく良い香りです。
では、いざ。
ぐおっ、バニラの香り、フルーティさ、そこに、ほんのちょっとの苦味がバランスを整えています。バターを塗ったパンのような香りともいえそうです。飲み進めていくとカスタードクリームのような香りも出てきました。
これは、もはやビールではない、何か新しい美味しいお酒です。
料理と合わせていくことを考えると、スパークリングワインの代わりとして、前菜などと合わせていくと、とてもハッピーになれそうです(実際にハッピーになりました)。
3.詳細情報
【ビール名】Innovative Brewer SORACHI1984(イノベーティブブリュワー ソラチイチキュウハチヨン)
【種類】ゴールデンエール
【アルコール度数】5.5%
【産地】日本(原材料には外国産含む)
【生産者】サッポロビール株式会社
【原材料】麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
※ソラチエースホップ100%使用(米国産使用、上富良野産一部使用)
【価格】約270円(350ml)
4.購入場所
本編集部では、近所の酒屋さんで購入しましたが、ファミリーマートで見かけることもあります。全国販売なので、大型スーパーやコンビニによっては取り扱っています。
通販だと、Amazonなら、12本セットで売っている模様。
楽天だと、お店によってはバラでも売っているようですが、送料がかかることを考えると、セットで購入した方がよさそうです。
参照:サッポロビール株式会社のSORACHI1984公式サイト、及びSORACHI1984ニュースリリース。